国際協力

《中高生からみるSDGs》SDGs6番『安全な水とトイレを世界中に』

世界中の人が安心して水を利用できる未来へ。

安全な水とトイレを世界に

 世界を見渡すと、劣悪な経済情勢やインフラの不備が原因で、否応なく汚染水を飲んだり、不衛生な環境を余儀なくされ、病気になり命を落とす人たちが多くいます。SDGs(持続可能な開発目標)のゴール6では、地球上のすべての人々に水と衛生へのアクセスを確保するという目標を掲げ、安全な安価な飲料水の普及、汚染の減少、有害な化学物、物質の放出の最小化、未処理排水の割合の半減などを目指しています。

世界の現状

 世界では、安全な水が手に入らず苦しい生活を強いられている人々が、21億人以上います。また、約45億人(10人に6人)は、安全に管理された下水設備のもとトイレを利用できていません。家畜の糞便、工場排水などが流れ込んだ川の水や、土壌が汚染された地下水を飲み、感染症や下痢によって脱水症状をおこし、毎日5000人もの子どもが命を落としているのです。[*1] 水を飲まなければ生きていけないため、危険だとわかっていても飲まざるを得ない現実があり、大人より免疫が少ない子どもは死に至るケースが多いのです。

 このような現状が生じる背景には、主に異常気象や人口増加により水自体が手に入らないことがあります。また水がないことで充分な農作物が手に入らず食生活に影響を及ぼすといった悪循環となっています。[*2] 今後、気候変動の影響によって地球の気温が上昇すると、干ばつの多発や砂漠化は進み、水不足はさらに悪化することが予測されています。水が手に入りにくくなれば、安全な水はより高額になり、貧しい地域の人々にとってはますます水不足に苦しむことになります。[*3]

 こうしたことを防ぐには、発展途上国での下水処理や再利用の仕組みをつくると同時に、先進国含めた国際協力のもと、地球上の森林や山地、湿地、河川、湖沼など、きれいな淡水を作るのに必要な自然環境を保護、回復して、人々が持続的に水を使えるようにすることが重要となります。

 様々なセクターによる問題解決への取組み  現在、国内外で政府機関、企業、NPOなど、様々なセクターが水資源と衛生管理の問題に、つまりSDGs6番のターゲットに示されている具体的な課題の解決に向けてのチャレンジをしています。たとえば、企業と国連機関が協働し、シャワーと一体型の簡易トイレを必要とする人々に届けるプロジェクトや、NPOによる微生物と植物の力を活用して水を循環的に使えるようにする仕組みづくりなどがあります。

考察

 2030年まであと10年。
 この10年で、地球上のすべての人が安全に、かつ必要十分な水を利用できる世の中を目指すためには、水を清潔にし、安全に水を管理する仕組みづくりが必要になります。同時に、生態系への影響を考えながら、水質を改善することも重要となります。

 安全な飲み水はもちろんのこと、生活用水としての水にもアクセスできない人が21億人もいる、という事実を前にして、蛇口をひねれば当たり前のようにきれいな水を享受できる私たちに、一体何ができるでしょうか?前述のような企業による多額な費用を投じた大掛かりで体系的な仕組みづくりはできなくても、私たちが等身大でできうることがないか、考えてみました。水は、日々の暮らしのなかのあらゆる生活習慣上、必要不可欠なものです。

 洗顔、歯磨き、シャワー、トイレ、料理、食器洗い・・・あらゆる場面でこれまで以上に水を有限資源として意識を払うことで、使用量を減らすことができます。例えば、シャワーの水の流しっ放しを3分止めれば約36リットル[*4]、コーヒー300杯分の水をセーブすることができます。

 またもう少し想像力を膨らませていくと、水の「直接的」な使い方の工夫だけでなく、間接的にも、行動できることがありそうです。バーチャルウォーターと呼ばれる仮想水を増やさなくてもいいように国内で生産された食材を購入したり、水を大量消費することなく作られたもの、熱帯雨林の保護に配慮した農作物を選ぶことも、間接的に水資源を大切にするアクションになると思います。また、発展途上国を舞台に安全な水の確保と衛生管理を実現しようとするクラウドファンディングなどにも注目し、お小遣いを使ってできる小さな支援もあるかもしれません。

「蛇口から水がでるということ」は当たり前ではないということ。

 水の源は、自然にあり、自然の恵みを誰もが持続的に享受できる世界を築くためには、私たち一人一人の当事者意識と、連帯していく力を持った具体的な行動が必要なのではないでしょうか。そしてその行動はSDGs6に限らず、繋がる他のゴールの達成に向けて相乗効果を生むものだと思います。

引用:

*1 ユニセフ(国連児童基金)/WHO(世界保健機関)衛生施設と飲料水の前進:2017年最新データと持続可能な開発目標(SDGs)基準

*2 沖大幹著、2010、水の世界地図:刻々と変化する水と世界の問題

*3  国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所 ホームページ

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