社会

《中高生からみるSDGs》SDGs8番『働きがいも経済成長も』

 SDGsの8番目の目標である「働きがいも経済成長も」は、すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進することが目標とされています。
 ディーセント・ワークは「働きがいのある人間らしい仕事」のことであり、1999年の第87回ILO(国際労働機関)総会で初めて使われた言葉です。
 ILOの公式サイトでは、この条件として以下のことが述べられています。

   ・権利の保障

   ・十分な収入を生み出すこと

   ・適切な社会的保護が与えられること

   ・すべての人が収入を得るのに十分な仕事があること

つまり、ディーセント・ワークとは、家庭と仕事の両立(ワークライフバランス)を保つことができる生産的な仕事であるといえます。

日本の労働に関する現状と問題点

・生産年齢人口
 生産年齢人口とは、15歳から64歳までの生産活動に従事しうる年齢層の人口のことです。以下の図のように、世界規模でみると1950年から2010年には3倍にまで増加し、2100年には約60億人にもなると予想されています。


 世界的には生産年齢人口の増加しているものの、日本ではバブルに沸いていた1995年ごろにピークを迎えた以降、生産年齢人口の減少がすでに始まっています。現在では、働き手が統計開始以来最も少ない危機的状態になっています。

・失業
 2008年に発生したリーマンショック以降、アメリカを中心とする世界的な金融危機が様々な業界に影響を及ぼし、不景気の時代へと突入しました。 この影響を受けて企業の業績悪化や倒産が相次ぎ、「派遣切り」などが行われたことによって有効求人倍率が大幅に下落しました。

 他にも就職氷河期となり、大学卒業後も派遣社員のままで正社員になることができず、安定した生活が送れないことなどが社会問題になっています。
 世界的には失業率が高いことが問題とされていますが、日本ではリーマンショックの影響とされる2010年に5%を記録した後、年々下がり始めており失業率2.4%という低水準に落ち着いています。
 しかし、コロナウイルスの影響で再び世界的な不景気に突入しており、今後は失業率が増加していくと考えられています。

完全失業率とは、労働力人口(15歳以上の働く意欲のある人)のうち、完全失業者(職がなく、求職活動をしている人)が占める割合です。

労働に関する日本の取り組み

日本における労働関係の取り組みと言えば、誰もが一度は耳にしたことのある「働き方改革」が有名です。2019年4月1日に施行された働き方改革関連法案は、日本が直面する「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」、「働く方々のニーズの多様化」などの課題に対応するために制定されました。

具体的には、長時間労働の防止や、多様な働き方の実現、正社員、契約社員などの雇用形態に関わらない公正な待遇の確保などが目的とされており、まさにSDGs8番の「働きがいも経済成長も」というゴールに基づいた政策であると言えます。

つまり

 生産年齢人口の減少に歯止めがかからない日本にとって、多様な働き方の実現や働きがいもありながら、家庭を大切にすることのできるワークライフバランスのとれた労働環境を整備することは必要不可欠なことだと感じます。
 
 しかし本来は、働きがいの基準は人それぞれ異なるものであり、法律で一律で決めてもすべての人に適応できるわけではないと思いました。
 
 時代や環境に合わせて法律をアップデートさせたり、テクノロジーなどを活用させながらすべての人が輝ける労働環境を構築していくことが、このゴールの達成への近道なのではないでしょうか?

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