国際協力

《中高生からみるSDGs》SDGs16番『平和と公正をすべての人へに』

平和と公正をすべての人に

 SDGs16番は「平和と公正をすべての人に(Peace, justice and strong institutions)」です。私は、2つの理由から、この目標がSDGsの根底を成していると考えています。つまり、この目標はSDGsのなかで最重要課題の1つであり、他の目標との関連も特に深いと考えています。

 1つ目に、SDGsが目指している「誰一人取り残さない」社会のためには、平和と公正が不可欠だからです。この地域は平和だ、でもあの地域は平和ではない、という状況は平和ではありません。SDGsの目標を細分化した「ターゲット」のなかにも「あらゆる場所において、すべての形態の暴力及び暴力に関連する死亡率を大幅に減少させる」というものがあります。

 2つ目に、SDGsのすべての目標が1つの国では到底達成できないものだからです。10番の「人や国の不平等をなくそう」などはまさにそうですが、すべての国が「この目標を達成しよう」と協力しなければ、それは叶いません。16番を達成させ、世界が平和にならなければ、SDGsの他の目標も達成できない。だからこそ、この目標が最重要課題の1つであると考えたのです。

世界の現状

今この瞬間も、地球のどこかで戦争や紛争によって人が死んでいます。日本の国連UNHCR協会のWebサイトによれば、2018年末時点で世界で難民や国内避難民となって支援を必要としている人の数は約7480万人。さらに、約2.4秒に1人が強制的に家を追われています。

これはもちろん、今始まった話ではありません。1945年3月10日の東京大空襲では1晩で10万人、1945年までの第2次世界大戦では、全世界で6000万人から8500万人が亡くなったと推測されてます。

どうしたら平和を実現できるのか?

 では、どうしたら平和を実現できるのでしょうか。私は「互いを理解し合うこと」が大切だと思います。

 突然ですが、初対面の人にいきなり唾をかけられたらどう思いますか? 嫌ですよね。ですが、これはアフリカにいるキクユ族という民族のれっきとした挨拶の方法です。これは1つの例に過ぎませんが、世界には様々な文化や習慣、宗教をもつ人々がいます。

 アジア・太平洋戦争の始まりとなった真珠湾攻撃で隊長を務めたのは、海軍の淵田美津雄でした。彼は戦後改心し、平和のためには何が必要なのかを次のように語っています。「無知は無理解を生み、無理解はやがて憎悪を生む。そして憎悪こそは人類相克の悲劇を生む。それが戦争である」と。

 互いのことを知ろうとしないこと、それどころか知ろうともせずに「我々が優れている」と誤った認識をすること、それが戦争を生み出したと彼は語っているのです。

 「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」という言葉で有名なユネスコ平和憲章前文にも、実はまったく同じことが書いてあります。

 「相互の風習と生活を知らないことは、人類の歴史を通じて世界の諸人民の間に疑惑と不信を起こした共通の原因であり、この疑惑と不信の為に(中略)戦争となった」

「互い」という言葉は「違い」と同じ語源をもちます。「お互いを理解する」ということは、自分とは本質的に全然違う、誰かを理解するということになります。それは少し難しいことなのかもしれません。

 ですが、どんな人種であっても、どんな文化や慣習をもっていても、どんな宗教や指向をもっていても、かけがえのない1人の人間であることに変わりはありません。

 戦争はいつも、そういうかけがえのない誰かを、自分とは違うという理由で理解しようとしないことから始まりました。逆に言えば、全員がお互いを理解しようと努めれば絶対に戦争は起きません。「知は理解を生み、理解は愛を生む。そして愛こそが、平和を生む」のです。

 平和の実現、そしてその先にある「世界が協力して目標へと走る社会」を目指して、皆さんで「互いを理解する」ことを始めていきましょう!

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