インタビュー

誰かを救うアクションは”私だからできる”の第一歩。

今回は発達障害児の生活や学習の支援をするアプリ「Focus On」開発に向けて奮闘をしている高校生の森本陽加里さんからお話を伺いました。

SDGsは一般的に大きくpeople(人)、prosperity(豊かさ)、planet(地球)、peace(平和)、partnership(パートナーシップ)の5つに分類できると言われています。

今回はその中でもPeopleに当てはまるSDGs1、2、3、4、5番に対して掘り下げていきます。

写真:森本さんのある月のTwitterでの投稿をワードクラウド化したもの。「生きづらい」という言葉が大きく表示されていることがわかる。

「生きづらい」のは私だけ?

耳が痛くなるような音、無意識にうなされている..。

みんながこの辛さを乗り越えて学校に通っているのだと思っていたが、自分だけの「生きづらさ」であったと気づいた時に自分自身の負の感情が抑えられなくなっていったと話します。

発達障害や感覚過敏などの症状は周りの人が当事者の容姿を見て、支援の判断をすることが難しい実態があります。

実際に学校現場からも一人一人と向き合う時間を割くことが難しく、対応が遅れてしまっている現状があるという声を耳にしますが、一方で森本さんとの対話の中でマジョリティーが「当事者しか分からない世界」であると決めつけ、当事者との壁を作りながら対話を行うことが難しい環境を築き上げてしまっているのではないかとも考えさせらえました。

SDGsのアジェンダである「誰1人取り残さない世界」を実現するにはどのように当事者とこれからの未来を共創していくべきなのでしょうか。

過去の自分を大事にしたい。

当時は、自分の障害の影響でストレスや感情の振り幅が増幅され、自分だけしか分からない辛さを抱えながら生きていたそうです。

「次第に人と違うことは誰も分かってくれないという孤独と、学校にいかなければいけないという言葉に押しつぶされそうな状況で「死ね」という言葉しか発することのできない自分の姿があった。」と森本さんは過去を振り返っていました。

昨今のSNSの普及により様々な生きづらさを抱えている当事者が自分について周知している様子を多く見かけます。

そういった多くの当事者は、自分の感覚を共有できるのは自分自身であるという使命感と、多くの同じような生きづらさを抱えている「自分から説明することが難しい人」に支援の手を差し伸べてくれる人が1人でも増えて欲しいという願いと共に発信を続けています。

一方で森本さんはこのようなS N Sの多様性の広がりに対して、発達障害に関する間違った情報を発信する人や正しい情報を発信する信頼できる発信先が少ないことに対して不安な一面も多いと話します。

自分が何者なのか分からない

最近、「Who I am.」「 Who are you.」といった言葉をよく耳にします。

これからの社会において自分だけができることとは何かという問いは分野に限らず突きつけられています。

しかしながら発達障害の当事者は気軽に相談したり、理解してくれる他者が少ないことから自己理解をすることが難しい場合が多いそうです。

アスペルガーの特性が強い場合は人間関係の構築や学校の勉強ができない場合が多い一方で、特別な何かに気付くと熱中してその賜物を磨き続けることができると言われています。

文部科学省が2012年に発表した調査結果によると、全国の小学校や中学校の通常学級に在籍する児童生徒のうち、発達障害の可能性があるとされた児童、生徒は6.5%にのぼるとされています。

この数字は、医師による診断ではなく、教師の判断によるものですが、この結果に基づくと何らかの発達障害の可能性がある生徒は30人学級に約2名いるという計算になります。

自分のため、他者のため

森本さんと当事者数名で開発を進めている「Focus On」は自身が当事者だからこそ作れるサービスだそうです。

当事者の発達障害の特性を分かりやすくするための質問を作成し、フォームを通して答えることで一人一人にあった「カルテ」を作成します。

このカルテを通して、専門機関と気軽に相談ができたり、学校の先生に掲示することで学校生活の中でも生きづらさを感じた際にヘルプの手を差し伸べてくれる人の数を増やすことと、当事者自身の自己理解を深めることを目的としています。

現在は試験的な運用をしながら実験と開発を重ねながら臨床心理学に関する知識を高め、将来的には発達障害の人それぞれの個性や強みを活かし合いながらサービスを完成させていきたいと夢を語ってくださりました。

現在開発中の[Focus On]完成イメージ図

インタビューを通して改めてSDGs5番の中の「People」達成のための対話の少なさを実感しました。

一方で一人一人の個性を受けとめ、共にこの社会を創り上げていく機会が少しずつ増えていることが嬉しかったです。

私も〇〇だからという自分の一方的な捉え方ではなく、広い視野を持つことを一層心がけていきたいと思います。

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